消費者行動分析
M16061 バタライ・ルドラ・プラサド
消費者行動に関する代表的なモデル。S-Rモデルとは、消費者の行動を刺激(stimulus)とそれに対する反応(response)に還元して把握する考え方であり、S-O-Rモデルとは、従来のS-Rモデルにおいて触れられないままとなっていた消費者の生活体(organism)をこれに含めた考え方である。S-O-Rモデルの代表的な事例としては、ハワード=シェス・モデルがある。消費者は、実際の製品(実体的刺激)、広告(象徴的刺激)、口コミ(社会的刺激)などの刺激を知覚し、場合によっては自分からこうした刺激を探索しながら、製品に対して良い悪い、快不快といった特定の態度を形成する。
ハワード=シェスモデルは、消費者行動、とくに選択行動を包括的に扱った代表的な研究であり、そのモデルの基本思想は、刺激-反応パラダイムに基づいている。モデル全体の構成は、インプット(刺激)変数、仮説構成体、学習構成体、アウトプット変数、外生変数から成立している。インプット変数は、製品やブランドの特性を表す商業的情報刺激と家族や集団のメンバーからの社会的情報刺激に分けられる。仮説構成体は、情報探索、情報への感応性、知覚偏向から構成され、購買決定のための情報処理機能を果たしている。一方、学習構成体は、動機、先有傾向、意思決定仲介変数、喚起セット、抑制要因、満足から構成され、意思決定機能を果たしている。アウトプット変数は、刺激に対する反応(購買行動)に至るまでの仲介変数から構成される。
S-Rモデルで考えたなら、どの製品にも多くの広告投入(s)があるにもかかわらず売上(R)が上がらないという同様の説明しかできないが、ハワードシェスモデルなどのS-O-Rモデルを用いれば、次のように説明することができる。すなわち、社の新製品は製品コンセプトが明快でブランド理解までは反応過程を進めることができたが、広告に起用したタレントとターゲットの相性が悪く、好意的な態度を形成させるところまではいかなかった。一方、Y社の新製品は、製品にセールス2つあったため、製品コンセプトを絞り込めず、名前連呼型のに終始したため、ブランド理解までさえ進めることができなかた。したがって、X社については、消費者好意的態度を形成せることによって、またY社については、まずブランド理解をせることによって反応段階を進めるべきことが、戦略的示唆とて出てくる。
このように、刺激に対する消費者の反応段階を包括的モデルのなかに示したS-O-RやS-Rモデル研究は、企業にとっては、自社の製品の市場への浸透度合いを把握することを、また消費者を購買行動へと向かわせるための戦略ポイントを理解することを可能にさせるものであり今日なお非常に実用的な分析法である。消費者の内面における反応家庭を説明しており、このモデルを用いることによって、企業側としては現状のマーケティング活動の問題点や課題を浮き彫りにすることができる。
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